第1回(800字版) 今年の夏も暑い!――「異常」が「日常」になる前に

「今年の夏、本当に暑かったね」。そんな会話が、もう何年も続いています。

エアコンをつけっぱなしでも眠れない夜。熱中症アラートで外出を控える週末。学校の運動会が短縮され、公園で子どもが遊べない昼間。「記録的猛暑」という言葉が毎年ニュースを飾り、気づけばそれが当たり前の景色になっています。

でも、「異常」が毎年来るなら、それはもう「異常」ではありません。

気温の上昇は、暑さだけの問題ではありません。雨の降り方が変わると農作物の収穫量が変わります。収穫量が減ると食料価格が上がります。スーパーで野菜が高いと感じた日、その背景に「気候変動」があったかもしれません。

そして影響は、全員に平等ではありません。収入が不安定な家庭では、食費を切り詰めた結果、教育費や医療費が後回しになります。「環境問題」は、子どもの学校生活や家族の健康と、見えない糸でつながっています。

認定NPO法人HFIは、この「つながり」に正面から向き合っています。ネパール・ヌワコット郡の山間部で、耕作放棄地にモリンガやウコンを植え、炭素を土に蓄えながら農家の収入を安定させる「アグロフォレストリー」を実践。試験区画わずか5㎡から30kg以上のウコンを収穫し、国外出稼ぎを止めて村に戻る農家も出始めています。

環境を守ることが、暮らしを守ること。この連載では、その「つながり」を現場から伝えていきます。

次回は、「環境を守ると経済が犠牲になる」という長年の思い込みを解きほぐします。

(HFI代表 福井誠)

シェアしていただけましたら幸いです
  • URLをコピーしました!
目次