1.事業事前調査
2014年以降、サッレリ市、および近郊の村、二箇所を2度訪問し、地域の有力者、政治家、学校の教師、農夫を集めて、PDM(Program Development Management)のワークショップを実施、地域のニーズを確認しました。
じゃがいもの三毛作、コーヒー農場の開発、バイオ発電など、多くの案を検証したものの、実際に現在行っているもので、現村民にとっても無理なく取り組め、換金率が高い作物を中心に検討しました。
また、村の農業開発を目的として結成されていたNPO(NDON)のビム副代表を2015年4月、日本に招き、栃木県にあるアジア学院にて農業技術の委託研修を実施。同時に農業開発作物の絞り込みをし、具体的な実施方法について検討を行いました。
2. 事業の概要
HFIは、NDONが実施する3年間の「ヒマラヤ養蜂プロジェクト」の主体的な働きを側面から支援しようと考えており、企画案を共に検討して来た。現在、バサ村で素人的に7つの養蜂箱で養蜂が行われているが、3年計画で200個の養蜂箱を設置し、はちみつやみつろうなどを増産し、製品化、販売します。
生産品は、近隣のサッレリ市(郡都)やエベレスト山登山客で賑わうルクラ市で販売し収益をあげていきます。以上の養蜂業によって村の若者の雇用を実現し、さらに収益の10%をもってHFIが支援して来た貧困児童の奨学金およびNDONの事業費に充当します。
3.事業の方法
養蜂については、これまで10年ほどの小さな実践があるものの、養蜂箱も木をくりぬいたものを使って、生産管理もなされおらず、収穫物は家庭や近隣に配る程度のものでした。今回は、
①生産効率の高い養蜂箱を制作し、さらに増設し(1年目に50個、2年目に50個追加、3年目に100個追加、合計3年間で200個の養蜂箱を設置)
②養蜂に必要とされる、草花の植え込みと管理
③予測される病害虫の管理をし、これまでよりも20%生産性をあげ、
④市場に流通させる商品化を実現し、収益の増加を狙います。
また、本プロジェクトは、約30世帯のバサ村を中心とするものですが、このプロジェクトの技術を、経験交流の手法を通して、近隣の村々(約4000世帯)に共有伝播し、事業の拡大のみならず、貧困を生み出さない豊かな村落の拡大を目指します。
こうして、これまで貧困対策に対して日本の援助に依存的であった状況について、この事業による収益によって自立化を図り、自分たちで貧困の問題を解決する体制を確立します。
4.事業の課題
今後の事業の拡大として、インターネットを通じて現地と日本を結び、遠隔生産・販売管理のできるシステム開発を検討しています。CSR企画の一環として事業協力のできるIT企業・団体の協力を求めています。
また資金協力をいただける企業・団体を求めています。ご協力をよろしくお願いいたします。